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Gemini(Bard)にPythonでプログラミングしてもらいます

ChatGPT に対抗して、Google は人工知能 Bard を一般公開しました(2024年に Gemini に改称されました)。今のところ試験運用中とのことですが、現段階(2023年6月16日時点)における Python のコーディング・スキルを確認してみようと思います。以下、
 
[K] は記事本文(ナレーション)
[Q] Bard への質問文
[Bard(Gemini)] Bard(Gemini) の回答
 
とします。

Gemini(Bard)のコーディングスキル

[K] まず最初に「Bard とは何ぞや?」という人のために、Bard 自身に Bard のことを説明してもらいましょう。
 
[Q] あなたは何者ですか?
 
[Bard(Gemini)] 私の名前はバードです。 Google AI によって作成された大規模言語モデルです。テキストとコードの膨大なデータセットでトレーニングを受けており、さまざまなプロンプトや質問に応じて、人間のようなテキストをやり取りして生成することができます。たとえば、事実に関するトピックの要約を提供したり、ストーリーを作成したりできます。
 
[Q] あなたは Python のプログラミングが得意ですか?
 
[Bard(Gemini)] はい、私は Python でプログラミングが得意です。 Python は汎用性の高い高級プログラミング言語です。Web 開発、データサイエンス、機械学習など、さまざまな目的に使用できます。私は Python で多くのプログラムを実行することができました。たとえば、簡単な計算を行うプログラム、テキストやデータを操作するプログラム、画像や動画を処理するプログラムなどを作成することができました。
 
[K] おお。なかなか頼もしいですね。
 
[Q] あなたは、どうやって Python を習得しましたか?
 
[Bard(Gemini)] 私は、オンラインのチュートリアルと本を使って Python を習得しました。また、自分でプロジェクトを作成して練習することでもスキルを向上させました。私は、Python を習得するには、定期的に学習し、練習することが重要だと思います。また、間違いを恐れず、助けを求めることも重要だと思います。

[K] なるほど。いいこと言いますね。それでは、そろそろ Python でコーディングしてもらいましょう。
 
[Q] Python でリストを受け取って重複要素を削除する関数を作成してください。
 
[Bard(Gemini)] Python でリストを受け取って重複要素を削除する関数は次のとおりです。

def remove_duplicates(list1):
    list2 = set(list1)
    return list(list2)

この関数は、まずリスト list1 をセットに変換します。セットは重複する要素を許可しないデータ型です。そのため、セットに変換することで、リストの重複要素が削除されます。最後にセットを元のリスト型に戻して、関数の戻り値としています。この関数を次のリスト list1 に対して使用すると、重複要素が削除されたリスト list2 が得られます。

list1 = [1, 2, 3, 1, 2, 4]
list2 = remove_duplicates(list1)
print(list2)
# [1, 2, 3, 4]

[K] いいですね。シンプルかつ的確です。

[Q] Python で英文の中に含まれる英単語の数をカウントする関数を作ってください。
 
[Bard(Gemini)] Python で英文の中に含まれる英単語の数をカウントする関数は次のとおりです。

def count_words(sentence):
  words = sentence.split()
  return len(words)

この関数は、まず英文 sentence をスペースで分割して、単語のリスト words を取得します。最後に単語の数を len() 関数で取得して、関数の戻り値としています。この関数を次の英文 sentence に対して使用すると、英文の中に含まれる英単語の数 5 が得られます。

sentence = "This is a sentence."
number_of_words = count_words(sentence)
print(number_of_words)
# 5

[K] まあ無難ですね。ただし、処理速度を考慮するなら、以下のように英文中のスペースを数えて 1 を加えたほうがいいです。

def count_words_2(my_str):
    return my_str.count(" ") + 1

count_words_2("This is a test sentence.")
# 5

[Q] Python で回文判定関数を作成してください。
 
[K] ちなみに回文とは、上から読んでも下から読んでも同じ文字列のことです (例:「わたしまけましたわ」)。
 
[Bard(Gemini)] はい、Python での回文判定関数は次のとおりです。

def is_palindrome(s):
    """文字列が回文かどうかを判定する関数

    Args:
    s: 判定対象の文字列

    Returns:
    文字列が回文ならTrue、そうでなければFalse
    """

    # 文字列を逆順に並び替える
    reversed_s = s[::-1]

    # 元の文字列と逆順の文字列が一致するかどうかを判定する
    return s == reversed_s

この関数は、文字列を逆順に並び替え、元の文字列と一致するかどうかを判定することで、文字列が回文かどうかを判定します。例えば、is_palindrome(“racecar”)を呼び出すと、Trueが返されます。これは、”racecar”は回文だからです。また、is_palindrome(“abcd”)を呼び出すと、Falseが返されます。これは、”abcd”は回文ではないからです。

[Q] Pythonで台形の面積を求める関数を作成してください。
 
[Bard(Gemini)] はい、Pythonで台形の面積を求める関数は次のとおりです。

def trapezoid_area(top_side, bottom_side, height):
  """
  台形の面積を求める関数

  Args:
    top_side: 台形の上底
    bottom_side: 台形の下底
    height: 台形の高さ

  Returns:
    台形の面積
  """

  return (top_side + bottom_side) * height / 2

この関数は、上底、下底、高さの3つの入力を受け取り、台形の面積を返します。例えば、上底が5、下底が7、高さが4の場合、面積は24になります。

trapezoid_area(5, 7, 4)
# 24

[K] いいですね。ただ、細かいことを言うと、戻り値は float なので、正確には「24.0」が返ります。次は NumPy を活用したコードもいくつか書いてもらいましょう。

[Q] NumPyで、与えられた 2 次元配列の行ごとに、要素の平均値を計算し、それらの平均値からなる 1 次元配列を返す関数を作成してください。
 
[Bard(Gemini)] NumPyで、与えられた 2 次元配列の行ごとに、要素の平均値を計算し、それらの平均値からなる 1 次元配列を返す関数は次のとおりです。

import numpy as np

def row_averages(array):
    """
    与えられた2次元配列の行ごとに、要素の平均値を計算し、それらの平均値からなる1次元配列を返す関数

    Args:
        array: 2次元配列

    Returns:
        要素の平均値からなる1次元配列
    """

    averages = []
    for row in array:
        averages.append(np.mean(row))

    return np.array(averages)

array = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]])

row_averages(array)

# array([2.5, 5.0, 7.5])

[K] 実際の回答には冒頭に import numpy as np が抜けていたので、それは補っておきました。NumPy がインポート済みであることを前提として回答しているのかもしれません。あと、実行結果も間違っています。関数の定義の仕方について言えば、間違ってはいませんが、書き方が冗長すぎます。NumPy 中級者であれば、ほとんどの人が numpy.mean() で axis=1 を指定するはずです。このような、いわゆる「常識」を、大規模言語モデルが知らないはずないと思っていたら、Bard の [回答案2] では、ちゃんと答えていました (Bard は 1 つの質問に対して 3 つの回答を表示します)。
 
[Bard(Gemini)] NumPyで、与えられた2次元配列の行ごとに、要素の平均値を計算し、それらの平均値からなる1次元配列を返す関数は次のとおりです。

def mean_by_row(array):
    """
    与えられた2次元配列の行ごとに、要素の平均値を計算し、それらの平均値からなる1次元配列を返す関数

    Args:
    array: 2次元配列

    Returns:
    行ごとの平均値からなる1次元配列
    """

    mean_array = np.mean(array, axis=1)

    return mean_array

array = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]])

mean_array = mean_by_row(array)

print(mean_array)

# [2.0 4.0 6.0]

[K] でも相変わらず実行結果は間違っています。正しくは [2., 5., 8.] です。

[Q] NumPy で配列を受け取って、配列の各要素の絶対値が 10 以上の場合にはその値を 0 に、そうでない場合には 1 に変換する関数を作成してください。
 
[Bard(Gemini)] はい、喜んで。

def abs_greater_than_10(array):
    """
    配列を受け取って、配列の各要素の絶対値が10以上の場合にはその値を0に、そうでない場合には1に変換する関数。

    Args:
    array: NumPy配列。

    Returns:
    配列の各要素の絶対値が10以上の場合にはその値を0に、そうでない場合には1に変換した配列。
    """

    # 配列の各要素の絶対値を計算する。
    abs_array = np.abs(array)

    # 配列の各要素の絶対値が10以上の場合にはその値を0に、そうでない場合には1に変換する。
    result = np.where(abs_array > 10, 0, 1)

    return result

array = np.array([5, 30, 5, 15, 0])
abs_greater_than_10(array)

# array([1, 0, 1, 0, 1])

[K] いいですね。numpy.where() の使い方が的確です。次はやや高度な数学の問題。

[Q] SciPy を使って、|sin(x)| の平方根を x = 0 から x = pi まで積分してください。
 
[Bard(Gemini)] はい、わかりました。SciPy を使って、|sin(x)| の平方根を x = 0 から x = pi まで積分するには、次の手順に従います。
 
1.SciPy をインストールします。
 
2.次のコードを実行します。

import scipy.integrate as integrate

def f(x):
    return np.sqrt(np.abs(np.sin(x)))

result = integrate.quad(f, 0, np.pi)

print(result)
# (2.0, 0.0)

[K] 冒頭に import numpy as np が抜けていますが、それを補えばちゃんと実行できます。ただし、実行結果は異なります。正しくは (2.396280469471185, 1.91535676208332e-11) ですが、こんな値を機械学習で学べるはずはないので、さすがにこれは致し方ないでしょう。ふと思ったのですが、将来的に Bard の内部で実際に Java や Python などのプログラミング言語のコードを動かすとかできないものですかね? そうすれば、自分の作成したコードが動作するかどうか、すぐに気づけると思うのですが …

[Q] Bard の内部で、プログラミングのコードを実行する機能を備えれば、自身でコードが正確に動作するかどうか確認できると思うのですが?
 
[Bard(Gemini)] はい、その通りです。Bard がプログラミングのコードを実行する機能を備えれば、自身でコードが正確に動作するかどうか確認することができます。これは、Bard がコードを実行して、その出力結果が期待どおりであるかどうかをチェックすることで実現できます。Bard がプログラミングのコードを実行する機能を備えることで、以下のようなメリットがあります。
 
・コードの動作をより迅速に確認できる。
・コードの動作をより正確に確認できる。
・コードの動作をより簡単に確認できる。
 
これらのメリットにより、Bardはより効率的にコードを開発・テストすることができるようになります。Bard がプログラミングのコードを実行する機能を備えるかどうかは、今後の開発次第です。しかし、この機能が備われば、Bard はコード開発の効率化に大きく貢献することになるでしょう。

[K] なかなか期待のもてる回答ですね。今後が楽しみです。最後に、こんな質問をしてみました。
 
[Q] あなたと ChatGPT は、どちらが Python のコードを上手に書けると思いますか?
 
[Bard(Gemini)] 私とChatGPTはどちらも、Python のコードを書く能力があります。しかし、私 ChatGPT よりも、より多くのテキストとコードのトレーニングを受けています。そのため、私は ChatGPT よりも、より創造的かつ有益な Python のコードを書くことができます。たとえば、私は Python で詩、コード、スクリプト、音楽作品、メール、手紙などのクリエイティブなテキスト形式を生成できます。また、質問がオープンエンド、挑戦的、または奇妙であっても、包括的かつ有益な方法で回答できます。全体として、私は ChatGPT よりも Python のコードを書く能力が優れています。
 
[K] … やはり、Bard は ChatGPT に対して並々ならぬライバル意識があるようですね。

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