平面内の運動 ≪【前の記事】オイラー法 今回は月面で下図のような斜方投射実験を行なうことにします。 初速度 $v_0$、角度 $\theta$ で打ち上げられたボールの軌道を求めることが目的です。 力学においては二次元運動 (平面運動) を $x$ 方向と $y$ 方向の一次元運動に分解して考えることができるので、2 次元になったからといって特に何か新しいことを学ぶ必要はなく、前回までに使っていたアルゴリズムを、ほとんどそのまま適用できます。唯一行なうべき仕事は ベクトル 形式の運動方程式 \[m\frac{d^2 \boldsymbol{r}}{dt}=\boldsym […]
万有引力 ≪【前の記事】運動方程式と運動量保存則 $2$ 個の物体があって、それぞれの質量を $M,\ m$、物体間の距離を $r$ とするとき、それぞれの物体には \[F=G\frac{Mm}{r^2}\tag{1}\] の大きさの引力がはたらきます (万有引力の法則)。 $G$ は 万有引力定数 とよばれる値です。 2014 年の CODATA (科学技術委員会) が提供する推奨値は \[G=6.67408\times 10^{-11}\ [\mathrm{m}^{3}\mathrm{kg}^{-1}\mathrm{s}^{-2}]\tag{2}\] となっており […]
ニュートンの運動方程式 第二法則に登場する ニュートンの運動方程式 \[\frac{d \boldsymbol{p}}{dt}=\boldsymbol{F}\tag{1}\] は古典力学の根幹ともいうべき微分方程式です。この式から運動量保存則やエネルギー保存則などの重要な法則がすべて導かれます。 (1) は物体に作用する力 $\boldsymbol{F}$ を運動量 $\boldsymbol{p}$ の時間変化によって定義する式です。$\boldsymbol{p}$ は質点の質量と速度ベクトルの積 $m\boldsymbol{v}$ なので、 \[\frac{d}{dt}(m\bo […]