pandas.concat()でデータセットを連結する
pandas.concat() は DataFrame や Series の連結に用いられる関数です(”concat” は「連結」や「結合」を意味する “concatenate” の略です)。
最初に重複ラベルのない Series 同士を連結してみます。
# PANDAS_CONCAT # In[1] import numpy as np import pandas as pd # Seriesオブジェクトを作成 s1 = pd.Series(["E01", "E02"], index=list("ab")) s2 = pd.Series(["E03", "E04"], index=list("cd")) # pandas.concat()でs1とs2を列方向に連結する s3 = pd.concat([s1, s2]) print(s3) # a E01 # b E02 # c E03 # d E04 # dtype: object
次はラベルが完全一致する Series 同士の連結を試してみます。
# In[2] # Seriesオブジェクトを作成 s4 = pd.Series(["E1", "E2"], index=list("ab")) s5 = pd.Series(["E3", "E4"], index=list("ab")) # pandas.concat()でs4とs5を連結 s6 = pd.concat([s4, s5]) print(s6) # a E1 # b E2 # a E3 # b E4 # dtype: object
このように、Series は重複ラベルを許容します。
重複ラベルにアクセスすると、対応するすべての要素が返ります。
# In[3] # 重複ラベルにアクセス print(s6["a"]) # a E1 # a E3 # dtype: object
しかし、データ分析の実践においては重複ラベルはトラブルのもとなので、なるべく避けたほうがよいでしょう。ignore_index を True に設定すると、古いラベルを破棄して新しいラベルを割り当てます。
# In[4] # pandas.concat()でs4とs5を連結して新しいラベルを作成 s7 = pd.concat([s4, s5], ignore_index=True) print(s7) # 0 E1 # 1 E2 # 2 E3 # 3 E4 # dtype: object
自分でラベルを設定したい場合は、index 属性にアクセスして書き換えます。
# In[5] # インデクス変更 s6.index = ["a", "b", "c", "d"] print(s6) # a E1 # b E2 # c E3 # d E4 # dtype: object
次は pandas.concat() を使って、ラベルが重複する DataFrame 同士を連結してみます。デフォルトでは列方向 (縦方向) に連結されます。
# In[6] df1 = pd.DataFrame([["E01", "E02"], ["E03", "E04"]], index = [1, 2], columns=list("ab")) df2 = pd.DataFrame([["E05", "E06"], ["E07", "E08"]], index = [3, 4], columns=list("ab")) # pandas.concat()でdf1とdf2を列方向に連結する df3 = pd.concat([df1, df2]) print(df3) # a b # 1 E01 E02 # 2 E03 E04 # 3 E05 E06 # 4 E07 E08
行方向 (横方向) につなぐ場合は axis キーワードに 1 を渡します。
# In[7] # concat()関数でdf1とdf2を行方向に連結する df4 = pd.concat([df1, df2], axis=1) print(df4) # a b a b # 1 E01 E02 NaN NaN # 2 E03 E04 NaN NaN # 3 NaN NaN E05 E06 # 4 NaN NaN E07 E08
対応するデータがない部分 (欠損値) は自動的に NaN で埋められています。
次は列ラベルの一部が重複する DataFrame を連結してみます。
# In[8] # DataFrameを作成 df5 = pd.DataFrame([["E01", "E02", "E03"], ["E04", "E05", "E06"]], index = [1, 2], columns = list("ABC")) df6 = pd.DataFrame([["E07", "E08", "E09"], ["E10", "E11", "E12"]], index = [3, 4], columns = list("BCD")) # df5とdf6の和集合 df7 = pd.concat([df5, df6], sort=True) print(df7) # A B C D # 1 E01 E02 E03 NaN # 2 E04 E05 E06 NaN # 3 NaN E07 E08 E09 # 4 NaN E10 E11 E12
このように、pandas.concat() による連結はデフォルトで和集合をとるように設定されています (join=”outer”)。すなわち、ラベルはすべて用いられ、該当する要素がない場合は欠損値として NaN が当てられます。
join=”inner” に設定すると積集合をとります (共通するラベルを抽出します)。
# In[9] # df5とdf6の積集合 df8 = pd.concat([df5, df6], join="inner", sort=True) print(df8) # B C # 1 E02 E03 # 2 E05 E06 # 3 E07 E08 # 4 E10 E11
コメント
下記は誤植と思われますので、ご確認ください。
CONCAT_01 In[2] プログラムの上の文で、行方向 ( 縦方向 ) → 列方向 ( 縦方向 )
CONCAT_01 In[2] プログラムのコメントで、行方向に連結 → 列方向に連結
CONCAT_01 In[3] プログラムの上の文で、列方向 ( 横方向 ) → 行方向 ( 横方向 )
CONCAT_01 In[3] プログラムのコメントで、列方向に連結 → 行方向に連結
この記事を書いた頃は「行が増える方向」を行方向だと勘違いしていたのだと思います。お恥ずかしい限りです。修正しておきました。ありがとうございます。m(_ _)m
【お知らせ】記事をリライトしました。実行結果でラベルやインデクスとデータが区別しやすいように、データの各要素に Element を意味する頭文字 E を添えました。記事の構成も一部変更しました。