pandasの特徴とインストール方法
pandas は NumPy を土台に構築されたデータ分析ライブラリです。数値表や時系列のデータ構造と操作を提供し、データの取り込み、整理、変換、可視化など、データ分析に役立つ豊富な機能を提供します。pandas の代表的なオブジェクトである DataFrame (データフレーム) は二次元のデータ構造で、行と列の表形式のデータを扱うことができます。DataFrame は、異なるデータ型(整数、浮動小数点数、文字列など)を持つ複数の列から構成されます。DataFrame はデータの取り込み、変換、フィルタリング、集計、結合など、多くの操作を行うための強力なツールです (Python の list に相当する Series オブジェクトも用意されています)。
pandas は様々なデータの入出力形式に対応しています。CSV、Excel、SQLデータベース、JSON、HTML、SQL クエリ結果など、多くのフォーマットでデータを読み込んだり書き込んだりすることができます。また、pandas はデータのクリーニングや前処理にも優れており、欠損値の処理や重複データの削除などを簡単に行うことができます。
データの検索や抽出においては、pandas は柔軟なインデックス指定や条件指定をサポートしています。インデックスを使用してデータを選択したり、条件を指定してデータを抽出したりできます。複数の条件を組み合わせたり、正規表現を使用したパターンマッチングを行ったりすることも可能です。
pandas はデータの加工や集計にも優れています。複数のデータフレームを結合したり、グループ化して集計したり、時系列データを処理したりできます。さらに、pandas は Excel のピボットテーブルのようなクロス集計やデータの変換もサポートしています。
データの可視化も pandas の強力な機能の一つです。pandas は Matplotlib と統合されているので、折れ線グラフ、ヒストグラム、散布図、箱ひげ図など、さまざまな種類のグラフを簡単に描画できます。可視化により、データのパターンや傾向を直感的に把握できます。
Anaconda がインストールされている環境であれば、pandas は同梱されています。それ以外の環境で pandas を使うためにはコマンドプロンプトで、”pip install pandas” を入力して pandas をインストールしてください。インストールが完了したら、プログラム内で import 文を使用して pandas を呼び出せます。
『Pythonデータサイエンスハンドブック』の 3 章 (pp.97-216) で pandas の体系的な知識を学べます。
Pythonデータサイエンスハンドブック ―Jupyter、NumPy、pandas、Matplotlib、scikit-learnを使ったデータ分析、機械学習 新品価格 |
以下に目次を抜粋しておきます。
3.1 pandas のインストールと使用方法
3.2 pandas オブジェクトの基礎
3.3 インデクスとデータの選択
3.4 pandas データ操作
3.5 欠損値の扱い
3.6 階層型インデクス
3.7 データセットの連結:concat と append
3.8 データセットの結合:merge と join
3.9 集約とグループ化
3.10 ピボットテーブル
3.11 文字列操作のベクトル化
3.12 時系列
3.13 ハイパフォーマンスpandas:eval() と query()
3.14 参考資料
Modin
データサイエンティストやデータエンジニアのために、より大規模なデータセットを効率的に処理するためのデータ分析ライブラリ “Modin” を紹介しておきます。
Modin は Python の高速なデータフレーム処理のためのライブラリです。Pandas の代替として開発され、大規模なデータセットや複雑な演算を効率的に処理することができます。通常、Pandas はシングルスレッドで動作しますが、Modin は分散処理フレームワークを使用してデータ処理を並列化します。これにより、複数の CPU コアや複数のマシンを使用して処理を高速化することができます。Modin はバックエンドとして Dask や Ray といった分散処理フレームワークを活用しており、これらのフレームワークのパフォーマンスを最大限に引き出します。
Modin は Pandas との互換性が高く、Pandas と同様の API を提供しています。そのため、既存の Pandas コードをほとんど変更することなく Modin に移行できます。ただし、Modin は大規模なデータセットに特化しており、小規模なデータに対しては Pandas の方が適しています。Modinは、大量のデータや複雑なデータ処理を必要とするプロジェクトやタスクにおいて、高速な処理とスケーラビリティを提供します。特に、機械学習、ディープラーニング、ビッグデータ分析などの領域で活用されています。ただし、Modin の分散処理機能をフルに活用するには、適切なハードウェアや環境の準備が必要です。
Modinを使用するためには、まず Modin をインストールする必要があります。次に、Pandas の代わりに Modin をインポートすることで、既存のコードを Modin に対応させることができます。Modin は、自動的にシングルスレッドの Pandas と分散処理を行う Modin の間で切り替えるため、手動で設定を変更する必要はありません。
【ChatGPT解説】pandasと類似する機能をもつ各種ライブラリ
Pandas は Python のデータ操作と解析のための非常に人気のあるライブラリです。Pandas にはデータの読み込み、クリーニング、変換、集計などの機能があります。Pandas に似たいくつかのライブラリを以下に紹介します。
NumPy(Numerical Python): NumPyはPythonの数値計算のための基本的なパッケージであり、Pandasの基盤となっています。NumPyは高速な数値演算や多次元配列のサポートなど、Pandasと同様の機能を提供しています。
Dask: Daskは大規模なデータセットを処理するための柔軟な並列処理フレームワークです。Pandasと似たAPIを持ち、複数のコアやクラスター上でデータの操作や分析を行うことができます。
Modin: Modinは分散データフレームのためのPandasの高速な代替として開発されたライブラリです。ModinはPandasと同じAPIを提供し、バックエンドとしてPandasの代わりに他の処理エンジン(たとえば、DaskやRayなど)を使用することができます。
Vaex: Vaexは非常に大きなデータセットを効率的に処理するためのライブラリです。Vaexは遅延評価を使用し、インメモリでのデータの操作や分析を高速に行うことができます。Pandasと似たAPIを提供しています。
これらのライブラリはいずれもPandasに似た機能を提供していますが、各ライブラリには独自の特徴や利点があります。具体的な要件や使用するデータセットのサイズに応じて、最適なライブラリを選択することが重要です。