Pythonでじゃんけん
人間のプレイヤーとコンピュータが じゃんけん をして勝敗を表示するプログラムを作ってみましょう。プレイヤーの出す手は、
の 3 通りです。それぞれの手に対してコンピュータの出す手も
の 3 通りなので、その組み合わせは全部で 3 × 3 = 9 通りあります。とはいえ、9 通りの分枝を記述するのは大変なので少し工夫します。そのために、じゃんけんの手のそれぞれに、
という数字を割り当てて、次のような判定スコアを定義します。
ここで、a Mod b は a を b で割ったときの余りを得る演算を意味します。Python では % が Mod に相当する演算子です。たとえば、プレイヤーがパー、コンピュータがグーを出したとすると、判定スコアは
となります。同じように、すべての手の組み合わせについて判定スコアを計算すると、下の表のようになります。
プレイヤーの手 | コンピュータの手 | スコア | 勝敗 |
---|---|---|---|
グー | グー | 0 | 引き分け |
グー | チョキ | 2 | 勝ち |
グー | パー | 1 | 負け |
チョキ | グー | 1 | 負け |
チョキ | チョキ | 0 | 引き分け |
チョキ | パー | 2 | 勝ち |
パー | グー | 2 | 勝ち |
パー | チョキ | 1 | 負け |
パー | パー | 0 | 引き分け |
表を見ると、判定スコアが 0 のときは引き分け、1 のときはプレイヤーの負け、2 のときはプレイヤーの勝ちとなっていることがわかります。判定スコアを使うと、条件分枝 は 3 通りで済みます。Python での実装は次のようになります。
# じゃんけん
# じゃんけん判定関数
def judge(x, y):
score = (x - y + 3) % 3
if score == 0:
j = "引き分けです"
elif score == 1:
j = "あなたの負けです"
else:
j = "あなたの勝ちです"
print(j)
# じゃんけんの手のリスト
hand = ["グー", "チョキ", "パー"]
# プレイヤーの手を入力
x = input("手を選んでください\n0:グー, 1:チョキ, 2:パー\n\n")
x = int(x)
# コンピュータの手をランダムに決定
y = random.randint(0, 2)
# 双方の出した手を表示
print("\nあなたの手:{}".format(hand[x]))
print("コンピュータの手:{}\n".format(hand[y]))
# 勝敗を表示
judge(x, y)
手を選んでください 0:グー, 1:チョキ, 2:パー 1 あなたの手:チョキ コンピュータの手:パー あなたの勝ちです
コードを実行すると手の入力が促されるので、数値で選択してください。コンピュータの手はランダムに選ばれて、お互いの出した手と勝敗が表示されます。
【技術英語の豆知識】英語で「じゃんけんぽん」
じゃんけん を英語で rock-paper-scissors といいます。
rock は石、paper は紙、scissors はハサミです。
地域によって、rock の代わりに stone (石) を使うこともあるようです。
「じゃんけんぽん」の掛け声も "Rock, Paper, Scissors" です。
う~ん。「じゃんけんぽん」のリズムに慣れた日本人としては、ちょっと長いなあと思ってしまいますね。世界中に "Janken, Pon!" を流行らせてみてはどうでしょうか。これから海外に行く予定の方、どうかお願いします (←人任せかよ)。とはいえ、ゲームの内容を言い表すなら英語のほうが自然ですよね。どうして日本人は「じゃんけん」と呼ぶのでしょうか。知っている方がいたらぜひ教えてください。ちなみに、関西ではじゃんけんをインジャンといいますが、インジャンの語源もよくわかりません。
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